生活応援情報マガジン トチペ 2021年10月号
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卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりして起こる病気です。大きくは、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の細かい血管が破れて出血する「脳出血」と、脳血管にできた瘤が破裂して出血が広がる「くも膜下出血」の3つに分かれます。「がん」や「心臓病」に次いで栃木県の死因の第3位になっています。脳卒中は、暖かい場所から寒い場所へ移動した時などの急激な温度差で血圧が大きく変動すること(ヒートショック)をきっかけとして起こる場合もあります。栃木県では、脳卒中死亡率は年々減少傾向にはあるものの、男女とも全国下位の状況が続いています。また、冬季死亡増加率において、本県は25%と全国のワースト1位になっております。けて冷え込みが厳しい冬の気る可能性が高いことも原因の一つとされています。ですが、30〜40歳代でも発症します。とは異なる原因があります。その一つが「脳動脈乖離」です。脳管の内側)が裂けて、血液の通北海道・東北地方など寒い地域と比べて栃木県は、高断熱住宅の普及率が低く、また、放射冷却現象により明け方にか候などから、ヒートショックに陥脳卒中は、中高年以上に好発する病気という印象が強い若年者の脳卒中には高齢者動脈乖離とは、脳の動脈壁(血り道が狭くなる状態です。狭くなったところが詰まってしまうと「脳梗塞」を起こし、血管が外側に膨らんで破けるとくも膜下出血や脳出血を起こします。また、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つのタイプの中で、若年者に多いのは「脳出血」です。発症者には、健康診断で高血圧を指摘されていたにもかかわらず、放置していたケースが多く見られます。脳卒中は、「寝たきり」の原因第1位であり、発症すると要介護になりやすく、また、再発の危険性も高くなります。脳卒中の予防には、血圧のコントロールをはじめ、生活習慣の正しい管理が必要です。栃木県の状況では、1日当たりの食塩摂取量は以前に比べ改善傾向にありますが、野菜摂取量、運動習慣、成人の喫煙率は全国の下位に位置している状況です。減塩や野菜・魚類の摂取などバランスの良い食事や運動習慣の維持、禁煙など高血圧や糖尿病にならない生活習慣に気を配り、健康診断を定期的に受けて脳卒中の予防、早期発見に心がけるとともに、少しでも不安があれば、早めにかかりつけの医師などに相談していただければと思います。〒320-8503 栃木県宇都宮市駒生町3337-1(とちぎ健康の森4階)TEL: 028-622-2655  FAX:028-624-5988http://www.tochigi-med.or.jp/トチぺちゃ特病のある身なので、コロナ感染防止人一倍気にしています。 Sさん20会長 稲野 秀孝 医師稲野医院http://www.minaminasukouiki.jp/そうですか…。健康体でもかかると大変みたいですからね。引き続き、感染対策に気を付けながら、お互い過ごしてまいりましょう。〒320-0811 栃木県宇都宮市大通り1-3-16TEL.028-622-1991 FAX.028-611-5622www.nakayamakai.com/■人間ドック・健康診断  TEL.028-625-7831 FAX.028-611-5647〒321-0621〒321-0621栃木県那須烏山市中央3-2-13栃木県那須烏山市中央3-2-131981年 広島大学医学部卒。東京女子医科大学病院内科研修。1983年 国立療養所東京病院。1985年 東京女子医科大学呼吸器センター内科。1989年 トーマスジェファーソン大学リサーチフェロー。1990年 ブリティッシュコロンビア大学リサーチフェロー。1996年 同医科大学非常勤講師、稲野医院院長(~現在)。2009年 宇都宮市医師会会長。2016年 栃木県医師会副会長。2020年 栃木県医師会会長。栃木県医師会塩原温泉病院理事長。経歴一般社団法人栃木県医師会会長 稲野 秀孝栃木県医師会社会医療法人 中山会宇都宮記念病院TEL.0287-84-3911TEL.0287-84-3911TEL.0287-84-3911正しい知識をもって予防につとめよう脳

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