獨協医科大学病院における心臓・血管疾患、脳卒中に関する動画う連携体制を構築しています。更に退院後に通院する診療所等とも連携することで、患者さんの状態に合わせた対応が途切れなく提供できるよう体制を整えています。心臓病や脳卒中は救急車到着までの対応が生死を分けますが、日本では一般の方に救急措置の方法が浸透しているとは言えません。自身や家族の発症を早期に気づき、取るべき行動を子どもの頃から学べる環境を整えるには、行政との連携が欠かせません。また予防についての知識も身につけて欲しいです。現在、県内の小・中学生向けに脳血管障害・心疾患予防啓発動画を作成しています。患者さんと家族を支える日々多くの患者さんが心臓・血管内科/循環器内科を受診します。心不全が原因で入退院を繰り返す方もいますが、発症するごとに身体機能は徐々に弱っていきます。食生活など、日々の生活を改善することで発症を抑える効果も期待できますが、診察で生活指導を行うことは難しいのが現状です。また、心臓病は外見に症状が現れにくいため、服薬の状況や息切れなどの症状に周囲の理解が追い付かなかったり、異変が起きても気付いてもらえなかったり、辛い思いをする方が多いです。こうした悩みを相談する場として、脳卒中・心臓病等総合支援センターをご利用ください。相談に値するか不安という内容でも構いません。ご本人やご家族だけで悩み、頑張りすぎて事態が深刻化する前に、一歩踏み出して、ご相談ください。症状や生活が少しでも良い方向に向かうようサポートします。ず、数値改善に取り組みましょう。20~30代のうちから予防を心掛けることが、将来の健康につながります。心臓病や脳卒中予防に限らず、自分自身の平常時の脈や血圧の数値を知っておくことは、健康管理や異常に気付くための指標となります。最近はスマートウォッチなど脈や心拍数が測れる便利なデバイスがありますので、そのようなものを活用するのもよいでしょう。おかしいと感じたら迷わず「かかりつけ医」を受診してください。いつでも相談ができる「かかりつけ医」を近所に持つことを皆さんに推奨しています。飲酒の量を調整する、禁煙する、適度に運動するなど日々できることもぜひ継続してください。※取材のため、特別な配慮のもとマスクをはずして撮影。1993年 獨協医科大学 医学部 医学科卒1999年 獨協医科大学 大学院修了2000年 獨協医科大学 第一内科 助手2006年 獨協医科大学 第一内科 講師2011年 獨協医科大学 第一内科 准教授経歴また、循環器病への対応は栃木県や県内の医療機関との連携も重要なため、情報交換・共有の場を定期的に設けています。発症した患者さんへの対応は病院間の連携が重要です。超急性期、急性期、回復期、維持期(生活期)の各段階において、各病院が担う役割が異なります。県内外の医療機関と連携して、当院では超急性期・急性期の治療を行い、治療後は回復期のリハビリを専門とする医療機関にスムーズに転院できるよ獨協医科大学第一内科(現:心臓・血管内科/循環器内科)入局2013年 獨協医科大学病院 地域連携・患者サポートセンター副センター長(~現在)2021年 獨協医科大学 心臓・血管内科/循環器内科 教授(~現在) 2022年 獨協医科大学 先端医科学研究センター センター長(~現在) 獨協医科大学病院ハートセンター 副センター長(~現在)獨協医科大学病院 臨床研究管理センター長(~現在)16心臓・血管内科/循環器内科教授・診療部長 豊田 茂行政や医療機関と連携循環器病とは、心臓と血管の病気を指し、病気の発症場所により心血管疾患と脳卒中に分かれます。発症すると将来にわたって後遺症を患う可能性が高く、患者さんとその家族は大きな負担を抱えることとなります。厚生労働省は、都道府県における心臓病や脳卒中の患者さん及びその家族への情報提供・相談支援等に対する総合的な取り組みを推進しています。その一環として、脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業を2022年度から開始し、当院は事業を実施する医療機関に選定されました。日々の予防とかかりつけ医心臓病は高齢者の病気と思われていましたが、近年発症年齢が下がってきており、20代で搬送される方も増えています。定期健診で思わしくない数値が出た際に「いつものこと」と放置せ獨協医科大学病院 脳卒中・心臓病等総合支援センター(心臓病)の取り組み
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